1,BELS認証とは
BELS(Building-Housing Energy-efficiency Labeling System)は、日本で建築物の省エネルギー性能を評価・認定する制度です。評価は1~5つ星で表され、星の数が多いほど高い省エネルギー性能を示しています。この認証は新築住宅やリフォーム時の性能評価に活用され、特に設計会社や建築業者にとっては信頼性を高める指標となります。
2,BELS認証の水準と評価基準
BELSの評価は以下のように星の数で示されます。
星4(標準レベル)
再エネ設備のない住宅の場合、基準一次エネ消費量からの削減率が30%以上(0.7≧BEI)
再エネ設備がある住宅・非住宅の場合(再エネ設備に関わらず)基準一次エネ消費量からの削減率が30%以上40%未満(0.7≧BEI>0.6)
星5(上位レベル)
再エネ設備がある住宅・非住宅の場合(再エネ設備に関わらず)基準一次エネ消費量からの削減率が40%以上50%未満(0.6≧BEI>0.5)星6(最高レベル)
再エネ設備がある住宅・非住宅の場合(再エネ設備に関わらず)基準一次エネ消費量からの削減率が50%以上(0.5≧BEI)
これらの評価基準は、一次エネルギー消費量や断熱性能などの指標をもとに算出され、詳細な計算方法に基づいて評価されます。
3,BELS認証取得の難易度
BELS認証を取得する難易度は、評価水準や設計内容によって異なります。特に以下の要因が難易度に影響します。
・断熱性能の向上:高い評価を得るには、住宅の断熱材や窓の性能を向上させる必要があります。
・設備機器の導入:高効率な設備(エコキュート、太陽光発電システムなど)の導入がポイントとなります。
・設計の工夫:自然光を多く取り入れる設計や、熱損失を抑えるレイアウトが求められます。
特により多くの星の認証を目指す場合、高品質な素材や設備(再エネ設備を含む)が必要となり、設計段階から省エネに特化した設計が重要です。そのため、設計会社には高度な知識と経験が求められます。
4,補助金制度のメリット
BELS認証を取得すると、さまざまな補助金制度を利用できる点が大きなメリットと言えるでしょう。
ZEH支援事業
ZEH認定を受ける住宅は、BELS星5相当の性能が求められ、補助金額も高額になります。自治体ごとの補助金
多くの自治体が、省エネ性能向上を目的とした補助金を提供しています。各自治体のホームページで確認しましょう。
5,設計会社にとってのBELS認証取得のメリット
設計会社がBELS認証を積極的に導入することで、以下のメリットが得られます。
- 顧客満足度の向上:BELS認証は省エネ性能の"見える化"を実現するため、顧客に安心感を提供できます。
- 競争力の向上:高評価の認証を取得することで、競合他社との差別化が図れます。
- ブランド価値の向上:省エネ性能に優れた設計実績をアピールすることで、信頼性やブランドイメージの向上が期待できます。
- 持続可能な設計の推進:環境配慮型住宅の提案は、社会的な要請に応えることにもつながります。
6,BELS認証取得のポイント
設計会社がBELS認証取得をスムーズに行うためのポイントを以下にまとめます。
・計算ツールの活用:一次エネルギー消費量を計算するツールを活用し、効率的に評価基準を満たす設計を行う。
・最新の基準に対応:BELS認証は法改正に伴って基準が変更される場合があるため、常に最新情報を確認。
・省エネ性能の事前シミュレーション:設計段階で性能をシミュレーションすることで、計画段階から基準を満たすことが可能。
7,まとめ
BELS認証は、省エネ性能を示す指標として設計会社にとって重要なツールです。高い認証を取得することは難易度が高い場合もありますが、補助金制度や顧客満足度の向上など多くのメリットがあります。
設計段階から省エネ性能を意識した提案を行うことで、設計会社の競争力を高め、ブランド価値の向上につながります。設計会社はBELS認証の重要性を理解し、適切な対応を行うことで、より持続可能な住宅づくりを推進していきましょう。
いかがでしたか。
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